中仙道自歩記其ノ六 2002.02.16
JR多治見駅5番先ホームに8:00集合。なんですが、もりたんが乗ってやってくる電車は、8:07着。で、乗りべき電車は8:04発。もりたんが来る前に、無常にも電車は出て行きました。古い時刻表で待ち合わせ時間を決めたのがいけなかったのねw。

とは言うものの、次の8:24発岐阜行で、目的地「各務ヶ原」へ向かう。9:25着で、早速歩き出しました。

駅前が国道21号線。片側2車線、交通量も相当です。見ての通りの晴天。風もなく、暑くもなく・・・ですが、案の定の狭い歩道。車が巻き起こす突風によたよただけでなく、寒い。右側を歩いてますから、前方からの向かい風が体を突き刺します。1時間程歩けば、バイパスと旧道との分岐点とのこと。我慢するしかありません。左手に、航空自衛隊各務原基地が見えてきます。飛行場があります。そして、21号を挟んで反対側(歩いてる側)に、川崎重工業岐阜南工場。共に、巨大な敷地です。軍産一体なんてことはさておき、重工業が政府払い下げででかくなったことも痛感します。当然のようにJRの引込み線があります。自衛隊、国鉄、重工業・・・なにおかいわんや、あやや。

原の名のとおり、平坦な道です。旧道に入ると、そこは昔来た道。自然に緩やかにうねっています。自動車用に作ったまっすぐな道と違って、いいですね。そんなこんなで、写真公園に。旧岐阜大学農学部跡地。市民公園になっています。休憩するわけでもなく、写真を撮って、前進です。
旧道沿いは、やはり神社仏閣が散見されます。で、日吉神社門前の高札定め書き。3行目までは、まあ当たり前。4行目に「蛙を取るな」ときました。う〜ん、珍しい蛙がいるんでしょうか?はたまた、食用蛙?あえてここに書かなきゃならない程に、「蛙取り」がはやってたんでしょうか?昭和36年・・・伊勢湾台風の2年後。まだまた平和な時代です。
旧道の分岐点。写っている道は名古屋伊勢に向かいます。名古屋は分かりますが、伊勢っていうのも、遠いな〜。お伊勢参りが、一大イベントであったことが偲ばれます。なにせ、ここはまだ岐阜なんですかね。

中仙道は右側(写ってません)を進みます。そこには新加納宿があります。鵜沼宿と加納宿の間が広すぎる為に作られた新「宿」。現在も大きな町と言うよりも、道沿いに民家が並んでいるだけで、民家の裏は田園地帯です。宿を通り抜けると、南北に東海北陸自動車道が突き抜けています。

ここら一番印象に残った事は、表札がみんな「小野木」さんであること。兎に角「小野木」さんちばかり・・・。右も左も、前も後ろも、古いも新しいも、「小野木」さん。「すみません、小野木さんのお宅はありませんか?」なんてことを聞こうもんなら、眉間にしわ寄せて「小野木のだれ?」って、言われそうw

新加納で11:30。そろそろ腹がへってきた。どこか適当なところで昼休みと言いながらも、どんどん歩いて加納宿の入り口「茶所」に到着。荒田川に架かる橋の上のベンチで、北に金華山岐阜城を見上げながら、お弁当。
大きなおにぎりを三つかたずけて、足の裏をマッサージして、さあ午後の部の出発です。ですが、足も痛くなってきたし、もちろん巨大な豆も・・・。

岐阜駅の南、加納宿を一気に通り抜けます。ここらの方々は「加納は岐阜の一部」ということに抵抗感を持ってみえます。岐阜は岐阜、加納は加納、だそうです。事実、加納城という城もあり、加納一体一つの町を形成していたようです。

中仙道からは少し外れて、鏡島弘法(弘法大師)に向かいます。鏡島弘法の横を抜けて木曽川の堤防を上がると、小紅の渡しがあります。
対岸の土手の上に、渡しのおじさんの休憩小屋があります。対岸から大きな声で「お〜い」「お〜い」、同じく大きく腕を振って、おじさんを呼びます。

しばし待って、おじさんが出てきました。

来た来たはじめは竿で押して、中ほどからは櫓で漕いで2〜3分。冬場に付き、さすがの長良川も川幅はこの程度。
さてさて乗船です。

ちゃんとモーターも付いていますが、手漕ぎにこだわるおじさんでした。ちなみに、二人で交互にやってみえるとのこと。

この渡しはちゃんとした県道で、県の委託で運営されています。上に鏡島大橋、下に河渡橋と、立派な橋はあるんですが、そのちょうど中間地点に渡しがあります。生活道としても、あまり必要性を感じないのは、私だけでしょうか?もちろん、無料です。
はじめは無愛想なおじさんも、話掛ければ、おしゃべりおじさん。たった数分の川遊びですが、今回のメインエベント。楽しませていただきました。

昔は、下にある河渡橋のところに、渡しがあったようです。そういう意味では、河渡橋を渡るのが筋ですが、やっぱ、船で渡る、ちゅうのもええですね。少し遠回りになりますが、お勧めポイント。夏場は、水量も増えて、もうちょっとらしい渡しになるんだそうです。
の上から金華山を望む。中央の山が金華山。頂上に岐阜城もみえしたが、写真には写っていませんね(残念)。
トップページにも貼ってあります。船着場。逆光で、あんまりいい写真ではありませんが、渡しの風情がでてませんか?
土手を登ると、おじさんの控え小屋。「小紅の渡し」の看板みえますよねw
今回の終点、「ごうど」宿跡

河渡橋の西側が、「ごうど」宿。川より低く、水害と戦う宿場であったようです。今回はここが終点。15:00。総時間5時間35分、3万5千歩、おおよそ24キロ。休憩等を除けば、およそ時速5キロですか?
Annex
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