きりきり きりきり 歯車は狂い 均衡は崩れた さあ 崩壊の 時が来た 想いの螺旋7 耳を塞いでおいで 眼を開けてはいけないよ? これから始まるのは 歪んだ悲劇の終幕 僕の安寧を崩す人は誰もいなくなった。 僕は姉と関係を持ったことは兄に知られなければ それはすむことと思っていた。 後からそれが それこそが大きな誤算と思い知るのだけれども… 追いつめられた人間がどういう行動に出るかなんて 考えもしなかった。 このころ僕はまだ何も知らない子供だったのだ。 あの夜から三ヶ月後。 姉は再び僕の部屋にやって来た。 僕のことがやはり好きだと… 僕は彼女が理解できなかった。 彼女の願いを叶えた筈なのに 彼女は僕にまだ執着しているのだ。 「子供ができたの」 彼女は微笑った。 その瞳には狂喜が宿っていた。 イヤな予感がした。 「あなたの子よ」 その顔に広がる勝ち誇った笑み。 彼女は僕の子供と確信しているようだが… そんなはずはない… 僕と彼女との関係はたった一夜のこと。 子供を孕んだというのなら、夫である兄の子と考える方が信憑性がある。 「兄さんの子ですよ…」 僕は冷たく言い放ったが彼女の態度は変わらない。 相も変わらず微笑んだままだ。 あの狂喜に満ちた笑顔を。 「いいえ、あなたの子よ。 私、わかるの」 ねえ? と腹部に呼びかけながら彼女は楽しそう笑う。 「あなたが何を夢みようが勝手だけれども… 僕を巻きこないでくれますか?」 僕の声に彼女の微笑が消えた。 「どうして?」 先程までの微笑みも余裕も完全に消えていた。 「あなたの子なのよ? どうしてそんなことを言うの? 自分の子供にすら何も感じないの?」 必死で言い募る女を… 僕は何の感慨もなく見ていた。 どうして僕なんかにこれほど必死に縋れるのか 不思議に思いながら。 「面倒なことは嫌いなだけなんです」 答えた僕を見た彼女の顔は… 笑っているような、怒っているような なんとも形容しがたいものだった。 「あなたにはっ 人間としての感情がないんだわ!!!!!」 絶叫が屋敷の離れに木霊した。 悲劇の幕は上がった。 next ************** 普賢さんろくでなしだわι あうあうたらしでろくでなしなんて サイテエ男ですね(−−; 次で過去編終わればいいなあ… 峪栞