さらさら
さらさら
崩れて
崩れて
静かに
静かに
誰にも気取られることなく
進んでいく
それは
……
想いの螺旋6
狂ったのは僕の時間?
僕の空間?
それとも僕の周囲?
僕自身…かもしれない
次から次に彼女達はやって来た。
一番最初に抱いたのは僕に最も執心していた女官。
彼女は約束通りに二度と僕に会いに来ることは無かった。
僕は安堵した。
これで少しは静かな生活が戻ってくると思ったから。
けれどもそれは甘い誤算だった。
僕はこの余程のことが無い限りこの離れから出て行かない。
食料等は使用人たちが定期的に離れの傍に置いていった。
幸い厨房はこの離れにあったから僕は生活に困ることは無かった。
もっとも両親がせめて賄い役くらいは置かせてくれ
と懇願したことは一度や二度ではなかったけれど。
良家のしかも子息が厨房で料理をしていることは
やはり外聞が良くないのかな?
等くらいにしか僕は考えていなかったけれど。
だから僕が彼女と顔を会わせる事なんてありえなかった。
僕がここから出るか。
それとも彼女が約束を反故するか。
どちらかが無い限り。
どうして彼女は他の女人達にこのことを話したのだろうか。
彼女は悔しかったのだろうか?
他の女官達のように僕に二度と会えなくなったことを。
それとも自慢したかったのだろうか?
僕に抱かれたことを。
他の女官達は嫉妬に狂った。
僕に泣いて縋って二度度会えなくてもいいから
自分も抱いてくれと懇願した。
僕は困惑した。
彼女達の感情は僕には理解しがたいものだったから。
けれども
二度とここには来ないという彼女達の言葉は
僕にとってはあまりにも魅力的な提供で。
静かな僕のあの空間を僕はどうしても取り戻したかった。
だから
僕は
頷いた。
彼女達の言葉に。
夜が巡るごとに
ここを訪れる人間の数は
減っていった。
そして
最期に現れたのは
僕の姉だった。
彼女もまた僕に泣いて縋った一人だった。
けれども彼女は兄の花嫁で。
さすがの僕も彼女の言葉に頷くことはできなかった。
家の召使に手をだすこととはわけが違う。
そう思ったのに。
彼女は泣いて僕に言った。
金輪際
僕に好意は向けないと。
愛しているなんて二度といわないと。
彼女の
最も煩わしい視線も、言葉も、意識も全て消え去るという
その甘美な誘惑に。
僕は耐え切れなかった。
兄は疑いを知らない人。
だから
彼女が僕への想いを忘れると言うのなら
自分は上手く隠しとおせる自身があったから。
痕跡さえ残さなければあの人は上手く騙し通せると
そう思って。
僕は
彼女の
手を取った。
たった一夜の出来事だった。
彼女は幸せそうに
泣いた。
さらさら
さらさら
確実に
進行していく
それが
もたらすは
……
……
残された安寧の時は
もはや幾許もない
next
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あぁーろくでもない展開だーッ(汗)
つーか普賢さん節操無すぎ??
彼のまあ夜のテクニックと料理の腕は
このようにして鍛えられたのですねv
ちなみにあくまでもこれは私的普賢さんの過去だから
苦情だけは(滝汗)
でわ逃亡!!
峪栞