さらさら さらさら ねえ 崩れたものは 何? 想いの螺旋5 狂い始めた僕の時間。 「今日は何をしておいでですの?」 「ここには来ないで下さいと言った筈ですが?」 相変わらずつれないことをおっしゃるのねーと寂しそうに微笑む彼女。 僕に姉ができてー彼女が家に来た日から毎日繰り返されるこの会話。 会話の相手は僕の姉となった人で敬愛すべき女性。 あの婚礼の夜からこうして彼女は僕に会いにやって来る。 彼女と共にやってきた女官が来ることもあった。 はっきりいって僕には彼女たちの行為は苦痛以外何も無かった。 ただでさえ好きな研究を邪魔されているのに 彼女達が僕に向けてくる感情には"好意"という厄介な ものが明らかに含まれていたから。 とはいえ姉になった彼女をさすがに追い返すわけにもいかず… どうぞ、と部屋へ招き入れると彼女は嬉しそうに微笑む。 僕は今日何度目になるかとも知れない溜息をついた。 それから2ヶ月程たった頃。 相変わらず彼女達は僕のところへやって来た。 僕の時間は侵されたまま。 とうとう耐え切れなくなった僕は 一番僕に執心している女官に尋ねた。 「ねえどうしたらあなたはここに来なくなるの?」 僕の質問を聞いた途端、彼女は泣きそうな顔をした。 どうしてそんな顔をするんだろう? 被害者は僕なのに…。 彼女は微笑んだ。 何かを決心したように。 それは綺麗な微笑みだったと思う。 「貴方が私を抱いてくれたら」 僕は 彼女の言葉に 頷いた。 これで僕の時間が戻ってくるのなら 安い代償だと思ったから。 僕の時間はこれで戻ってくるはずだった。 さらさら さらさら ねえ 崩れ落ちたものは 何? 崩れたその均衡に 気が付くものは 未だ誰もいない。 next ************** はいーろくでもない展開になってまいりました(汗) もうコメントナッシング!! 逃亡します(><) 峪栞