からから からから 回りつづける 歯車 からから からから いつまで いつまで 空回り? 想いの螺旋3 「普賢…?」 暗闇の中でも太公望は容易に普賢を見つけることが出来た。 一条の光も差さない闇の中。 視覚は完全に麻痺していたのだけれど。 すぐ傍にあった馴染んだ気配。 空気よりも近しいその存在。 けれどもいくら呼びかけてもその人は答えてくれなくて。 どうしたのかと太公望は普賢にそっと触れてみた。 冷たい…… あまりの冷たさにその手を引っ込めてしまった程に 普賢の身体は冷たかった。 だめだ…このままでは死んでしまう。 その考えに辿り着いた途端太公望の身体に震えが走る。 死ぬ? 普賢が? 僕を残して? 恐怖よりも感情が先に爆発した。 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ! 許さない、そんなことは絶対にっ! 絶対にまだ死なせない! そのまま自分の体温を分け与えるように強く強く普賢を抱きしめる。 この心が、願いが、叫びが伝わるように… 折れんばかりにその華奢な身体を抱きしめる。 起きて、起きて お願いだから目を覚まして! いつものように僕に笑って…微笑んでよ… 普賢の瞳はそれでも開かなかった。 「普賢…」 血を吐くような太公望の切ない囁き。 必死で泣くのを堪えながら大切な人を抱きしめる。 …望ちゃん… 声が聞こえた気がした。 自分が誰よりも知っている綺麗で優しいその声が。 「普賢?」 囁き返す太公望の声。 その直後、彼の意識も闇に沈んだ。 残ったのは闇に浮かぶ二人の少年の抜け殻。 そして 僕は君に出会う 僕に出会う前の 僕の知らない 君に からから からから 回り続ける 外れた 壊れた 歯車 からから からから ねえ? いつまで いつまで 空回り? 君の素顔に出会えるまで Next ************* ああーなんか過去暴露編が書きたかったのに…。 頑張る望ちゃんかいてたら感情移入しちゃって 長くなってしまいましたー(><) 次こそ過去暴露編の始まりですっ! はいっあ〜でも普賢ちゃんの過去は本当に裏にUPしようかと 思うほど倫理観が低い内容なのですー だからホントに潔癖な方は読まないほうがいいですっ そういや友人にこの3の望ちゃんの反応見て 「ぜって-友達ぢゃねーよコレ」と言われてしまった。 どうなんでしょうかねー?友達だと私は思うのですが(^−^;) 峪栞