JWINメンバーの名を冠したゾウムシ(5)


ホリカワアシブトゾウムシ Ochyromera horikawai Kojima et Morimoto


ホリカワアシブトゾウムシ,堀川正美氏


ホリカワアシブトゾウムシ
アシブトゾウムシ亜族 Ocyromerina はその名が示すように前腿節が著しく肥大していることが特徴で(細い種もいる), 日本には20種余りが棲息しています.2-5mmと比較的小型であり,樹冠部にいることが多いためあまり見る機会がない種群です. 本種は3mm前後と小型でかなり黄色みを帯びた褐色をしています.初夏にヒメシャラのスウィーピングをするとぽちぽち網に入ります. どこにでもいるわけではありませんが,割合広く分布しておりどちらかというと簡単に捕ることのできる種です.

堀川正美氏
氏は甲虫界の錚々たるメンバーを抱える神奈川を代表するゾウムシ屋の一人で,ゾウムシ屋の中では元編集者という変わった経歴の持ち主です. ゾウムシにはまったのは還暦近くになってからということで,経験年数では多くの強者に及ばないものの,氏の活躍ぶりには目を見張るものがあります. ホリカワアシブトゾウムシに近縁のアセビアシブトゾウムシ O.pieridis は 氏が箱根大涌谷で採集した個体を元に記載されました. そのほか多くの未記載種を採集されただけではなく,その生態についても重要な知見をもたらしました. 特に,ウスイロヒゲボソゾウムシ,ツチイロヒゲボソゾウムシ,ニセツチイロヒゲボソゾウムシ と従来3種にわけられていたものが,すべて同一種であり単なる色彩変異にすぎないことを各地を廻って実に4200個体も採集して確かめるという すばらしい成果を上げておられます. 筆者が興味をもっているチョッキリについても多くの情報を教えていただきたいへん役立っております.


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