井上順治さん(瀬戸市)  
                                   

  金属の仏具が、すべて供出になって、陶器の代用品の上絵付けをしていた。軍指定工場でないと、石炭ももらえない。渇鉄鉱を焼いて、海綿鉄にしたものを使って、1銭陶貨を造ろうと、私が造幣局に話し、6軒が入って、金大陶業を作った。石炭の配給を受けるには、広小路まで行って、チケットを貰わなければならない。私らは、造幣局の出張所のようで、給料も食料も、造幣局から出たから、瀬戸でただ一つ、雑炊の給食もやった。トンネル窯で焼いたが、陶貨を使用する前に、敗戦になった。私の家は、元は、陶本町にあったが、食料営団を火災から守るために、取り壊された