春の句 by;Kob



春寒や朱の煉瓦積むワイン倉


咳き込みし母との電話終わりけり


二枝が三枝となりし柿の芽を


着信を告げるメロディー春近し

花吹雪蹌踉めいては乗る一輪車


花の冷えや古書を机に積み重ね



エンジンを掛けしままなる春の昼

盃が空けばつがるる花見酒

飼い犬の残されている潮干狩