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〜 D'Angelico ukulele
MUシリーズ 〜 MU-4P & MU-6CPS
D'Angelico (ディアンジェリコ) のウクレレとは... 優美なアーチを描くボディ、手の込んだ構造、ユニークな仕様、そのすべてが従来のウクレレと一線を画す D'Angelico
のウクレレ。D'Angelico といえば、フルアコースティック・サイズのギターが一般的ですが、実はウクレレの制作も行っています。 それは、優美なアーチを描くボディ・トップ/バック、アール・デコ調のピックガードやテイルピース、曲線的なヘッドストック・シェイプ等、D'Angelico の アイデンティティをパーフェクトに継承しています。 また、MU-1〜5では、伝統的なダブティル・セットネック・ジョイント工法やアーチドトップ構造 、D'Angelico テールピースとウッドブリッジの組み合わせ等、楽器としての理想と完成度を極限まで高めていると言われています。 さらに、コスト・パフォーマンスに優れたMU-6CPSは、マンゴー単板による削り出し加工で、サイドも削り出しによる手の込んだ構造になっているようです。 <D'Angelico ukulele ラインナップ> ・ソプラノ・タイプ (全 5機種) ※ 型番末尾の 『P』 は、ピックアップ搭載機種 MU-1 / MU-1P MU-2 / MU-2P MU-3 / MU-3P MU-4 / MU-4P MU-5 / MU-5P ・コンサート・タイプ (1機種のみ) MU-6CPS ※ 型番末尾の 『CPS』 は、コンサートタイプの 『C』 と PS-4U のプリアンプ・システム 『PS』 搭載機種 壁に取り付けたギターハンガーにかかっている、ウクレレ2本とギター3本 <正 面> ソプラノ・タイプのMU-4P(左)とコンサート・タイプのMU-6CPS(右)を比較してみると、ネックの長さとフレット幅がコンサート・タイプのMU-6CPSの方が長いのが分かります。 パッと見、コンサート・タイプのネックはギターのように見えますね。 <背 面> 他社製品は分かりませんが、この D'Angelico のソプラノ・タイプ (左) とコンサート・タイプ (右) のボディの底面は同じ大きさです。 <側 面> 底面積が同じでも、幅(深さ)がソプラノ・タイプ (左) の方が、コンサート・タイプ (右) の倍ほど幅(深さ)があります。 <ケース収納時> ケースは、すべて D'Angelico 純正のハードケースです。 両機種を弾き比べてみると、ネック幅が広いコンサート・タイプ (MU-6CPS) の方が明らかに弾きやすいのですが、音質をはじめ、音の響きなどは明らかにソプラノ・タイプ (MU-4P) の方が上質です。
※ 取替え時の詳細ブログは、こちら
【フレット間の幅】 ソプラノ・タイプ (下) とコンサート・タイプ (上) フレット間の幅の違いを分かりやすくするために、フレット同士を上下に重ねてみました。 そもそも、コンサート・タイプは、棹の長さがソプラノに比べてより長くなっている分、ハイポジション側での演奏が弾きやすくなっています。 特に9フレット目では、1フレット分の差があるのが見てわかりますね。 写真のようにフレット間の幅がこれだけ異なると、断然、コンサート・タイプの方が弾きやすいのが特徴です。 【指板 (フィンガーボード) 】 ソプラノ・タイプ (左) とコンサート・タイプ (右) 形状 (指板のR)、材質、塗装の仕上げ、見た目、手触り、そして音によって好みが分かれる部分です。 特に指板の R 形状については、ソプラノ (左) がクラシックギターのように 『真っ平』 に対して、コンサート (右) はフォークギターのように 『かまぼこ状』 と言われる緩い カーブになっているため、この点でもコンサートの方が弾きやすいです。 <参 考> クラシックギター YAMAHA SLG200N (左) とフォークギター Ovation Celebrity Elite Limited Edition (右) 【フレットの取り付け方】 ソプラノ・タイプ (左) とコンサート・タイプ (右) フレット (金属製の仕切り) の取付け形状が異なっています。 その違いは、コンサート (右) はギターのように指板に埋め込まれていますが、ソプラノ (左) は指板の上に取付けてある感じです。 この金属製のフレットの形状が異なっている点が、実際に弾いたときに指で感じる感覚がギターと異なるため、ソプラノを弾くには慣れが必要と感じる一方、コンサートの方は ギターと変わらぬ感じなので違和感なく、弾きやすさが感じられます。 ちなみに、ウクレレ経験が長い方でも、コンサート・タイプしか弾いたことがない方は、ソプラノ・タイプを弾くと弾きにくさを感じると思います。
ギターに比べて、ウクレレの弦ほど多種多様なものはないと私は思っています。 それは、弦の硬さ柔らかさ、弦の材質の種類、太い弦、細い弦、そして、Low-G 用を含む何十種類もの弦を経験した中から代表的な弦を紹介します。 アクイラ スーパーナイルガット <Low-G> AQUILA AQS-CLW Low-G Super Nylgut AQUILA(アクイラ)AQS-CLW Low-G Super Nylgut 弦 ナイルガット弦は、ガット弦のサウンドを再現しながらガット弦の弱点を改善したもの。 耐久性の無さや温度変化などによる音程の狂いを克服しながら、長いサステインと豊かなサウンドが実現されています。 "スーパーナイルガット" は、ナイルガットを基にさらに耐久性を向上させたモデルです。 また、弦の表面がよりなめらかに加工されており、スムーズな演奏性も魅力なところ。 Low-G の4弦は巻線。 ダダリオ チタニウム D'Addario ダダリオ EJ87C Titanium 高密度なモノフィラメント材を使用し、ブライトなサウンドながらナイロンに似た滑らかな感触が実現されています。 より大きな音量と繊細なダイナミクスの両方を兼ね備えている弦です。 ディアンジェリコ D'Angelico ディアンジェリコ ASU-MED-LM ディアンジェリコによるフロロカーボンシリーズのウクレレ弦です。 私が所有しているウクレレと同じメーカーなので、相性が良いと思っていましたが、 もっと相性が良くて弾きやすい弦もあります。 ただ、好みにも寄りますが決して全体的には悪くない印象です。 Famous マロン弦 Famous マロン弦セット Low-G (ナイロン オールサイズ対応) Famousマロン弦はやや細く歯切れのよいサウンドが特徴 ナイロン弦のテンションはやわらかく、スッキリとした音質がお好みの方には最適かも Low-G の4弦は巻線。 Martin Ukulele M-600 Martin Ukulele M-600 クリア・フロロカーボンを採用 全体的にバランスの良い優等生的な弦なのですが、比較的弦が細目なのでウクレレソロには? という印象です。 <参考 : 6弦用ナイロンギター弦> 【クラシック・ギター用 (ガット・ギター)】 D'Addario ダダリオ ボールエンドナイロン弦 D'Addario Folk Nylon EJ32C Silver Wound/Ball End Clear Trebles このセット弦の1弦から4弦を Low-G チューニングとしてウクレレに使用しています。 感覚的には、アクイラ スーパーナイルガット弦に類似した感触で弾きやすく、とても気に入ってます。 また、ボールエンド仕様なので弦の交換がとても楽で、見た目も良いので6弦ギターを含めてお気に入りの弦です。 <結論として、私が一番お気に入りの弦は...> 【D'Angelico MU-4P (ソプラノ・タイプ) の愛用弦として...】 ・アクイラ スーパーナイルガット <Low-G> 【AQUILA AQS-CLW Low-G Super Nylgut】 価格的には決して安くはないのですが、音程が不安定になりがちなソプラノタイプには最適な弦です。 弦の太さもクラシックギター寄りの太い弦なので、滑りも良く、指運もスムーズで弾きやすい弦です。 【D'Angelico MU-6CPS (コンサート・タイプ) の愛用弦として...2種類を使い分けています 】 ・アクイラ スーパーナイルガット <Low-G> 【AQUILA AQS-CLW Low-G Super Nylgut】 ソプラノ・タイプと同様、音が安定するまでの速さと弦の太さもクラシックギター寄りの太目の弦なので滑りも良い。 この弦は、ソプラノ・タイプよりも更に指運もスムーズで一番弾きやすい弦です。 ・D'Addario ダダリオ ボールエンドナイロン弦 【D'Addario Folk Nylon EJ33 80/20 Bronze/Clear Nylon Trebles】 の1弦から4弦を使用。 6弦ギター用を使う理由は、このコンサート・タイプはギター感覚でとても弾きやすいウクレレなので、敢えて使用しています。 ちなみに、YAMAHA のクラシックギターには、常にこの弦を使用していますので、指運もしやすく弾きやすいです。 以上、私のお気に入りの2種類の弦ですが、あくまで私が感じる弾きやすさ、特にウクレレ・ソロを弾く時に一番適していると感じた弦です。 また、弦を張り替えた後の音の安定性や、温度・湿度等の変化によるチューニングの状態などについても優秀な弦として評価しています。
一般的にウクレレの1弦〜4弦は、すべてナイロン弦で構成されており、特に4弦の開放弦の音が1オクターブ高い1弦と2弦の間のG/ソ)のため、弦の太さも3弦より細い弦なのです。 これを、通称 『Hight-Gチューニング』 といい、ウクレレの世界ではスタンダードなチューニングなのです。 しかし、ギターのようにウクレレでソロを弾くには、この 『Hight-Gチューニング』 では4弦の音が高いため、ギターのように3弦より低いG(ソ) にするには、4弦を 『Low-G弦』 に張り替える必要があります。 そして、Low-G 弦 (4弦) の材質は好みにもよりますが、私の場合は 『ナイロン弦』 よりも 『巻弦』 の方が弾きやすいし音質的にも好きです。 ちなみに、ウクレレ用の Low-G の巻き弦は痛み易くて錆び易い? のか、ギター弦より寿命が短いため、私はクラシックギターの4弦を使用しています。 最近では、『Low-Gチューニング』 向けの楽譜も多くなり、さらに、Low-G 向けの弦 (巻弦) も多数販売されていますが、耐久性を上げてもらいたい...。 『Low-G弦』 の使用比率は、ソプラノよりコンサート、コンサートよりテナーというサイズが 大きくなればなる程高く、よりギターのようにウクレレ・ソロを弾く方には 『Low-Gチューニング』 は欠かせないのです。 ただし、ナットやブリッジの溝が弦ごとにピッタリ合わせて削ってあるウクレレの場合は、弦溝の太さの調整が必要になることもあるので注意 が必要です。 写真のように4弦はナイロン弦から巻弦に変更してあるため、クラシックギターの1弦から4弦と同じ構成と 思えば良いでしょう。 ちなみに、私のようにクラシックギターの弦をウクレレに使用している方も少なくないです。 では、 『Low-Gチューニング』 でどんな曲を弾くの? ってよく聞かれます。 私が最初にウクレレ・ソロにチャレンジした曲は、エリック・クラプトンの 『Tears in Heaven』 です。 もともと、6弦ギターではこの曲をマスターしていたので、ギター譜を参考にウクレレ用にアレンジして弾いてます。 ちなみに、この曲を 『Hight-Gチューニング』 のウクレレで弾いても、4弦の音程が高い (1弦と2弦の間のG/ソ) のでサマになりません...。 |
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